B型肝炎ウイルスが原因で死亡したら、何から始めたらいいですか?
B型肝炎ウイルスが原因の疾病による「死亡」の事案も,これまでにたくさんの経験があります。
死亡から20年以内の場合は3600万円,20年が経過している場合は900万円の給付金が支払われる可能性があります。
給付金の対象となるかどうかのチェックポイントは
まず,死亡されたご本人の生年月日が「昭和16年7月2日以降」であるかどうか。もしこれ以前の生年月日であれば,対象外となります。
次に,B型肝炎ウイルスの感染により死亡したことが証明できるか。
医療記録がどれだけ残っているかということを確認します。5年以内であれば必ず医療記録は残っています。5年以上経過している場合でも10年くらいは残っていることが普通ですし,10年以上前であっても,諦めず病院に問い合わせてください。病院によっては入院記録だけは永久保存しているという場合もあります。医療記録が全く残っていなかくても,何らかの資料があれば,可能性がありますので,とりあえず,ご相談ください。
次に,母子感染であることの否定ができるか。
これが一番ネックとなるのですが,死亡した方の母親がキャリアでなかったことを証明する必要があります。死亡した方の母親が健在であれば母親に検査を依頼します。母親が死亡している場合は生前の検査結果を探すか,死亡された方の兄または姉がいる場合には,検査を依頼します。すでに疎遠になっていて,検査を頼むのが難しいとおっしゃる場合もありますが,これだけは,絶対に必要なので,もし,検査を依頼できる該当の方がいらっしゃるのであれば,なんとか頼んでいただきたいと思います。
以上がクリアできれば,給付金の対象となることはほぼ確定となります。
もし亡くなった方がご依頼者のお母様で,ご依頼者が母子感染(二次感染)している場合には,ご依頼者も二次感染者として救済の対象となる可能性があります。二次感染の証明についても,当事務所ではこれまでにたくさんの取り扱い例があります。一次感染者が死亡している場合でも証明の方法はありますので,ぜひご相談いただきたいと思います。特に2次感染者が昭和60年12月31日以前の生まれである場合には,母子感染防止事業実施前にあたりますので,2次感染の証明の要件が緩和されています。
家族単位でのご依頼が最近は特に増えていると感じています。母親が一次感染者の可能性がある場合(昭和16年7月2日以降の生まれ)の場合には,母子感染であると諦めずにご相談ください。